業務紹介

希少猛禽類

希少猛禽類とは?

猛禽類とは、獲物を捕らえるためにその体を進化させた鳥の仲間をいいます。よく見える目と鋭いくちばし、強くて丈夫な脚を持ち、主に昼間に行動するタカの仲間と、主に夜に行動するフクロウの仲間に分けられます。自然環境調査では、タカの仲間(イヌワシ、クマタカなど)を希少猛禽類として調査対象にしています。
猛禽類は食物連鎖の頂点に位置するため、生息にはさまざまな生物を有する健全な生態系が必要です。そのため、猛禽類を保護することは、その地域の生物多様性や自然環境の豊かさを守ることでもあります。

猛禽の保護と調査

猛禽類の保護対策は大きく「個体の保護」「生息環境の保全」「保護増殖事業」の3つに分けられ、猛禽類の保護を目的とした法制度もあります。いずれの対策も、前提として猛禽類の生息状況を把握する必要があります。

行動圏調査

行動圏調査では、調査地域を眺望できる見通しの良い場所を調査地点として、複数の地点に調査員を配置し、出現する猛禽類を追跡します。空を飛翔する猛禽類は行動範囲が広く、また樹林内に入ることもあるため、観察には経験が必要となります。40~80倍程度の超望遠レンズで個体を撮影することにより、詳細な個体識別を可能にし、調査精度を確保します。

撮影機材・調査状況
  • 撮影機材1

    一眼レフカメラ

  • 撮影機材2

    ビデオスコープ

  • 撮影状況

    調査の様子

可視領域図の作成

GISを用い可視領域を作成します。可視領域図は調査地点の視野の確認や、調査地点を選定する際の効率化にも役立ちます。また、可視、不可視領域を示す事により、飛翔位置記録の精度が向上します。

  • 斜面の可視領域

    斜面の可視領域

  • 斜面および上空の可視領域

    斜面および上空の可視領域

個体識別

高解像度の個体写真の撮影によって、正確な個体識別を行うことが可能となります。
猛禽は樹林内に入ることが多く、近い地域に複数のつがいが生息していることもあります。羽の欠損の様子や色、模様などの特徴から個体を識別し、どの個体がいつ、どのような行動をしているのかを特定し、把握することによって、意味のあるデータを積み重ねていくことができます。

  • 個体識別1

    クマタカ

  • 個体識別2

    オオタカ

  • 個体識別3

    ノスリ

猛禽類飛翔図
  • 確認された猛禽類の飛翔コースや採餌、繁殖などの行動を、記号を用いて地図上に示します。

  • 猛禽類飛翔図

    猛禽類飛翔図

  • 猛禽類飛翔図2

    年齢や月別に色わけ

行動圏解析

猛禽類は広いなわばりを持ち、そのなかで、季節や目的(営巣期・非営巣期、狩り、休息など)ごとによく利用する場所の頻度が変わります。絶滅が危惧されている猛禽類においては、特に繁殖に関わる営巣地やねぐら、餌場となる区域は非常に重要です。そのため猛禽類の行動の状況をよく調査し、生息域の内部がどのように利用されているのかを把握する必要があります。

メッシュ解析
  • メッシュ解析では猛禽類の行動圏をわりだし、営巣中心域や高利用域を把握します。

  • 行動圏

    行動圏

繁殖状況調査・人工巣設置調査

  • 猛禽類の営巣地を確認した際には、繁殖状況の把握のため、ビデオによる撮影・録画をします。
    また、環境保全対策の一環として希少猛禽類の人工巣を設置し、保護に努めています。

  • 人工巣設置のための木登り状況
    人工巣設置のための木登り状況
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