テクニカルノート

4月のカワセミ第137号 冬眠明け

2008年5月6日発行

シュレーゲルアオガエル

シュレーゲルアオガエル
学名 Rhacophorus schlegelii

春早く、乾田の畦で雄のシュレーゲルアオガエルが鳴きはじめた。
まだ、気温が低いためか、姿を見せることは少ない。
冬眠から目覚めて、繁殖へ向かうカエルの姿を探した。

畦土の穴で雌を呼ぶ

モリアオガエル

モリアオガエル
学名 Rhacophorus arboreus

※瞳孔の周縁部が、赤みを帯びた黄色である。

カスタネットの鳴き声を手掛かりに見つけたのは、畦に掘った巣穴で、鳴嚢を膨らませて鳴いている雄のシュレーゲルアオガエル(上)。体の色を暗褐色に変えていた。

水中のモリアオガエル

冬眠から目覚めて間もないと思われるモリアオガエルの雌もいた。場所は、新潟県魚沼市の標高300mほどにある湿地の池である。池の畔に、モリアオガエルの雄がいるので、池をしばらく見ていたら、水底からさらに大きなモリアオガエルが浮き上がってきた。池の水で冷やした手に乗せて観察すると、鈍い動きで腕時計の上に止まった(右)。体長70㎜の雌である(プロトレックの直径が53㎜)。

モリアオガエルの雌は、繁殖の準備として、水の中で総排出腔から水を吸い込み、膀胱に溜めて、卵塊を泡立てるのに使用するらしい。

  • 参考文献
  • 関慎太郎「魅せる日本の両生類・爬虫類」緑書房、2006

自然観察新聞 4月のカワセミ第137号 冬眠明け

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バード・ウォッチング

シジュウカラの雛

シジュウカラ
学名 Parus major

例年より半月早い繁殖

仙台市内の住宅地にあるわが家のウメの木で、今年もシジュウカラのペアが繁殖している。3回目の利用となった巣箱の中では、5月6日現在8羽の雛が元気に育っている。

過去の巣立ち日は、2005年が5月25日、2006年が5月24日、昨年は巣作り中に放棄だった。今年の繁殖は例年よりも半月早く、巣立ち予想日は5月10日である。

※産座に使用されている断熱材は、隣家の壁の隙間から運んできたもの。

シジュウカラの卵

  • 参考文献
  • 日本野鳥の会編「みる野鳥記16セキレイのなかまたち」あすなろ書房、1993

植物観察

コシノコバイモ

コシノコバイモ
学名 Fritillaria koidzumiana

北陸地方分布の春植物

落葉広葉樹林の春は明るい林床からやって来る。カタクリ、キクザキイチゲ、アズマイチゲ、ニリンソウ、ショウジョウバカマなど、春植物(スプリング・エフェメラル)が花を咲かせ、山歩きの心を癒してくれる。

4月30日、新潟県魚沼市で春植物の仲間であるコシノコバイモ(ユリ科)に初めて出会った(右)。
学名のFritillariaはサイコロの壷だそうだ。この花にどのような昆虫が吸蜜に来るのだろう。やがて、落葉広葉樹の葉が展開して空をおおい隠すまでに、春植物は光合成して地中の球根や地下茎に栄養素を蓄えて、地上から姿を消してしまう。まさに、スプリング・エフェメラル(春の儚い命)である。

※その名の通り新潟県産の越の小貝母。花が咲くまで6~7年かかる。

環境調査員 骨格標本製作 自然観察新聞発行
海棲哺乳類・爬虫類ストランディング調査
ボーン企画 代表 橋本 勝

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