テクニカルノート

6月のカワセミ第139号 幼蛇

2008年7月21日発行

シマヘビ

シマヘビ
学名 Elaphe quadrivirgata (Boie,1826)

小さな赤いヘビを見つけた。
全長36㎝、体重11gあった。
親に似ない鬼子の姿を観察した。

シマヘビ幼蛇の特徴

ナメラ属

ナメラ属
学名 Elaphe sp.

シマヘビの子どもは、全体に赤っぽい色をしている。縦縞はうすく、背中に横帯がある。また、頭部には模様が入っている(上)。そのために、別種のヘビと間違えられることもある。が、瞳は楕円形で虹彩が赤いことからシマヘビであることは明らかである。

茶褐色のシマヘビの幼蛇もいる。虹彩が赤くならない個体もいるが、瞳は楕円形である(右)。眼のまわりの鱗の頬板も識別点になるが、シマヘビの頬板は短く(上、赤線)、アオダイショウの頬板は大きく、後にのびている。なかには紛らわしい個体もいるが、これは飼育して確認するしかない。シマヘビは1年9ヶ月で性成熟する。鬼子もやがて普通の大人のシマヘビになる。

※右はシマヘビだと思うが、 頬板(赤線)が気になるため飼育観察中である。

  • 参考文献
  • 「大阪の自然 生物編」大阪市立自然史博物館、1984

自然観察新聞 6月のカワセミ第139号 幼蛇

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バード・ウォッチング

ハクセキレイの雛

ハクセキレイ
学名 Motacilla alba lugens

年々、日本列島を南下

6月21日、岩手県遠野市にある民家を訪ねた。この家の主は、毎年この時期にツバメが繁殖に利用している納屋の扉を開けておくそうだ。ツバメの親が忙しく出入りしている納屋に、餌をくわえたハクセキレイも飛び込んでいった。納屋にあるツバメの巣の近くの天井裏を見ると、ハクセキレイの雛がいた(右)。

今では普通に繁殖が見られるハクセキレイだが、1965~1970年の繁殖地は北海道や東北地方に限られていた。年々繁殖分布が南下して、ついに九州での繁殖が確認されたのは2007年である。

※ハクセキレイが繁殖していることを知らないこの家の主は、ツバメの雛の巣立ちと同時に納屋の扉を閉めてしまう。その前に、ハクセキレイの雛は無事に巣立ちできるだろうか。

  • 参考文献
  • 日本野鳥の会編「みる野鳥記16セキレイのなかまたち」あすなろ書房、1993

サメ・ウォッチング

アオザメの頭部

アオザメ
学名 Isurus oxyrinchus

サメの置換歯を見た

先日、八戸市内の八食センターに立ち寄った際に、鮮魚店の店先に陳列されていたモーローザメの頭部を買い求めた。モーローザメとは地方名で、ネズミザメ目ネズミザメ科のアオザメである。昔読んだヘミングウェーの「老人と海」でも有名である。

このアオザメの歯は研ぎ澄まされたナイフのように鋭く、カジキやサメなど高速遊泳魚の捕食を可能にしている。使い捨て歯に代わって、新しい歯列がエスカレーターのように押し出され、常に切れ味の良い状態になっている。顎の中を見ると、幾重にも歯列(置換歯(ちかんし))が準備されているのが分かる(右)。

※母体の中で、卵や兄弟を食べ尽くして生まれてくる。

  • 参考文献
  • V・スプリンガー、J・ゴールド、仲谷一宏訳「サメ・ウォッチング」平凡社、1992

環境調査員 骨格標本製作 自然観察新聞発行
海棲哺乳類・爬虫類ストランディング調査
ボーン企画 代表 橋本 勝

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