テクニカルノート

5月のカワセミ第148号 JapaneseForestRatsnake

2009年6月7日発行

ジムグリ 学名 Euprepiophis conspicillatus

スギ林で安藤さんが捕まえたヘビは、ジムグリだった。
ご覧の通りの成蛇だが、雄だろうか、雌だろうか?
尾長が約20㎝あるので、雄かもしれない。
英樹君と名づけた。

雌と雄は見分けられるか

ジムグリの腹の虹色光沢

ジムグリの腹の虹色光沢

安藤さんが岩手県奥州市胆沢(いさわ)区の山中で見つけたジムグリは、全長約90㎝、尾長約20㎝の成蛇だった。ジムグリの雌雄はどこで判別するか。有鱗目(トカゲ亜目・ヘビ亜目)の雄は尾の付け根に半陰茎(ヘミペニス)を収めているため、尾が太く長いというが、シマヘビはともかくジムグリの判別は難しい。ジムグリを飼育繁殖している方(紀南蛇通信)の雌雄の尾長が14~15㎝あることから、この個体は雄かもしれない。それで、英樹君と名付けた。

異なる腹面の模様

英樹君の腹を見ると、虹色光沢を発している(右)。図鑑では、「腹面はやや不規則な白黒の市松模様」とあるが、英樹君は連続した2本の黒い条になっている。東日本や北海道産のジムグリの傾向らしい。

ナメラ属から別属へ

最近の研究では、ナメラ属から離れているという見解からジムグリ属が設けられた。だから、英樹君の学名も変わる。

  • 参考文献
  • 松橋利光・富田京一『山渓ハンディ図鑑10 日本のカメ・トカゲ・ヘビ』、東京、山と渓谷社、2007、p256

自然観察新聞 5月のカワセミ第148号 JapaneseForestRatsnake

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フィールドサイン

ホンドモモンガの骨

ホンドモモンガ
学名 Pteromys momonga (Temminck,1844)

ペリットからモモンガ

安藤さんが同じ山中から拾ってきたのは、フクロウが吐出したと思われるやや古く崩れたペリットだった。多量の壊れた骨が獣毛の塊の中に含まれていたが、何とか上顎骨と下顎骨を抽出できた(右)。検索表で調べてみると、フクロウに捕食された動物は、ホンドモモンガであることが判明。

フクロウの食性はよく調べられていて、哺乳類ではハタネズミ、モグラ、ヒミズに準じてリス、モモンガ、ジネズミ、ヤマネが餌になっている。

  • 参考文献
  • 阿部永『日本産哺乳類頭骨図説』、札幌、北海道大学図書刊行会、2000、p279
  • 樋口亜紀、闇に舞うフクロウの狩りと繁殖『フクロウ』、東京、文一総合出版、2007、p22-27

フィールドサイン

ニホンカモシカとニホンジカの骨

左:ニホンカモシカ
学名 Naemorhedus crispus (Temminck,1845)
右:ニホンジカ
学名 Cervus Nippon (Temminck,1838)

寛骨臼の違いを見る

昆虫調査班の井上さんが骨を拾ってきた(右の中央)。風化した骨だが、哺乳類の寛骨の一部であることは分かる。骨の中央に大腿骨の骨頭が納まる寛骨臼が丸く凹んでいる。この形状から亡骸の種が分かるはずである。

写真は、左が一部欠損したニホンカモシカの標本(拾得届済)で、右はニホンジカの仔ジカの標本である。寛骨臼の形状の違いが一目瞭然である。井上さんが見つけた骨と標本を比較して、どうだろうか?私は不明種としたが、分かりますか?

  • 参考文献
  • 松井章、『動物考古学の手引き』、奈良文化財研究所 埋蔵文化財センター、2006、152p.

5月18日に巣立ち

今年もわが家の庭の巣箱からシジュウカラが無事に巣立った。昨年は5月10~11日と6月22日に2回巣立ちが見られた。

環境調査員 骨格標本製作 自然観察新聞発行
海棲哺乳類・爬虫類ストランディング調査
ボーン企画 代表 橋本 勝

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