テクニカルノート

ヤマアカガエルのHSIモデルの例

文:環境情報室 吉田 馨、水谷 貴行 2008年3月21日

調査対象地域

調査対象地域

ハビタット変数の設定

HSI
a.V1・・・水域タイプ(水田、放棄水田、水路、池、その他)

水田は産卵環境として適しているため、水田のSI=1.0と設定。放棄水田は産卵環境として不適な場合が多いが、産卵できる環境が局所的にある可能性があるため、放棄水田のSI=0.3と設定。池は岸際の平らで浅い箇所に産卵する場合があるので、池のSI=0.3と設定。市街地には産卵しないものと仮定し、市街地のSI=0と設定。これら以外の環境には産卵場は非常に少ないと仮定してその他のSI=0.1と設定。

  • 水域タイプSI
    水田1.0
    放棄水田(休耕田)0.3
    0.3
    市街地0
    その他0.1
  • 水域タイプ(水田、放棄水田、水路、池、その他)

    水域タイプ(水田、放棄水田、水路、池、その他)

b.V2・・・森林までの距離

産卵場が森林と接しているのが理想的な産卵環境であるため、距離0mのSI=1と設定。またヤマアカガエルの産卵地からの移動距離は1000m以上という報告があることから、距離1000mのSI=0と設定。

  • 森林までの距離のSI設定

    森林までの距離のSI設定

  • 森林までの距離

    森林までの距離

c.V3・・・500m圏道路延長(幅5.5m以上)

半径500m圏を分断する最短の道路延長である1kmのSI=0.2と設定。逆に道路がなければ移動阻害となる障害物がないということで、道路延長は0kmのSI=1.0と設定。

  • 500m圏道路延長のSI設定

    500m圏道路延長のSI設定

  • 500m圏道路延長(幅5.5m以上)

    500m圏道路延長(幅5.5m以上)

d.V4・・・500m圏森林面積

ロジスティック回帰分析では森林面積と産卵に正の相関があったが、500m圏全てが森林である場合には産卵環境が無いか、非常に小さい水場となるため、500m圏森林面積が約75haのSI=0.2と設定。樹林がない環境にはヤマアカガエルは生息しないので、森林面積が0haのSI=0と設定。ヤマアカガエルの生息環境の理想として、森林面積が8割から9割を占める環境と仮定し、この場合のSI=1.0と設定。

  • 500m圏森林面積のSI設定

    500m圏森林面積のSI設定

  • 500m圏森林面積

    500m圏森林面積

e.V5・・・止水域までの距離

止水域はヤマアカガエルにとって理想的な産卵環境であり、成体にとっては森林が止水域に接しているのが理想的な生息環境であるため、距離0mのSI=1と設定。また前述の通り止水域以外にも産卵環境は存在するので、ヤマアカガエルの分散能を考慮して、距離1000mのSI=0.2と設定。

  • 止水域までの距離のSI設定

    止水域までの距離のSI設定

  • 水田までの距離

    水田までの距離

SIの算出方法

ハビタット変数 算出方法
V1(池以外)、V2、V4、V5 東京都1/50000植生図を利用。
V1(池)、V3 数値地図25000(空間データ基盤)を利用。

HSIの算出式と結果

HSI=V11/3×V21/9×V31/9×V4 1/3×V51/9

HSIの算出結果

HSIの算出結果

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