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3-笹薮との戦い(敵を知り己を知れば…)!

2023年7月
文:佐竹 一秀
(WEB公開:2025年2月7日)

決意はこの場所!

かなり密生しているな。さすがにここを藪こぎするのは無理だな…。

2023年の2月、久々に来てみた実家の山、戦いを挑もうとした笹薮がこの場所でした。ここから笹刈りをスタートさせ、何回かの戦いの後、笹ことアズマネザサのトンネル(笹の回廊)を貫通させました。この夏中にはトンネル状の笹を全て刈り取りたいですが、果たして…。

  • 戦場となる笹藪

  • 笹の回廊ができました

雨が空から降れば…

6月中旬のある土曜日、今日は雨です。梅雨なので雨はしょうがないのですが……

  • ♪しょうがない
  • 雨の日はしょうがない
  • 公園のベンチでひとり
  • お魚を釣れば
  • お魚もまた雨のなか
  • しょうがない
  • お雨の日はしょうがない♪
……小室等の唄が思い出されました。

小雨の中、刈り取り作業とその片づけに疲れて一休み。以前に貫通させたアズマネザサのトンネルをボーっと見ていました。そのとき、フッと、何本ぐらいあるんだろう? そんな疑問が頭をよぎりました………そうだ、数えてみよう! 本数だけでなく、笹の片づけも結構重い! どのくらいの重さがあるんだろう? 笹の高さも私の身長(1.7m)をはるかに超えているので、そこも気になりました。そこで次回は、一定の面積で笹を刈り、本数、重さ、高さを計ることにしました。

敵を知る(本数、重さ、高さは?)

笹薮との戦い「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」となるか?

当初は1m×1mで刈り取る予定でしたが、実際の笹薮をよく見てみると、粗密があり笹が一様に生えてないことがわかりました。そこで2m×2mと、4倍の面積で刈り取りました。2月からこれまで、いろいろな場所で笹刈りをしてきました。場所によって笹薮の生え方にばらつきがあることは当然承知しています。そのため、ここが必ずしも我がジャングルの平均的な笹薮、とは言えないのですが、戦いを決意した場所ですので、現状を把握しておきたいと思ったのです。

  • 4平方メートル内に生えていた笹

さて、さっそく4㎡で刈り取った笹を数え始めましたが、数えていくうちに、元気な笹もあれば枯れかかっているのもあり、更には今年生まれの笹もあるのがわかってきました。下の写真の右が笹、中央が枯れ笹、左が幼笹です。枯れ笹、幼笹を含めた全笹の生育本数は246本/4㎡、密度としては約60本/㎡でした。枯れ笹も多かったのですが、今年生まれの笹も14本/㎡(23%)と多く、世代更新が盛んに行われてることもわかりました。表-1に生育本数のデータを示し、径、重さ、高さの計測結果は表-2に示します。

表-1 生育数、生育密度
区分 生育数(本) 生育密度(本/㎡)
総数 246 61.5
内訳 笹:緑の葉があるもの、一部枯葉あり 117 29.3
枯笹:葉がないもの、あっても枯れ葉のみ 72 18.0
幼笹:葉が展葉していないもの(区別は容易) 117 29.3
刈り取り面積:4㎡(2m×2m)
表-2 笹の径、高さ、重さ
区分 根元の径(mm) 高さ(m) 重さ(湿重量:g)
茎部分 笹葉部分 合計
平均 13.4 3.88 216 132 348
最大 15.0 4.25 288 216 495
最小 12.0 3.52 126 71 205
10本の平均値
寿命が尽きる…

笹や竹は地下茎を伸ばして繁殖しますが、地下茎でつながっている個体群全体での寿命は60年とも120年とも言われています。最後は花をつけて枯れてしまいますが、60年はともかく120年ともなると、それを観察し続ける研究者がほぼいない(研究者の方の寿命が尽きる)ので、笹や竹の寿命はよくわかっていないようです。今回の幼笹、笹、枯笹のデータを解析&継続調査するといろいろと面白いことがわかりそうです。が、私の方の寿命も尽きそうですし、何より敵を打ち破ることに全集中したいので、深堀はしない!ことにしました。

根本の直径は10本の平均で13.4mm、同じく高さは3.88m、重さについては、茎部分が216g、笹葉の部分132g、合計348gでした。現在、家まで続く笹のトンネルは幅5.5m、長さ48.0m、入口の右側の部分に連続する笹薮が10.7m×24.0mありますので、合計面積としては264+256.8㎡=520.6㎡あります。生育密度が61.5本/㎡なので約32,000本の笹があり、1本が348gほどあるので32,000×348÷1,000÷1,000=11.1tとなります。刈り取った後の笹は、近くのスペースに片づけないと作業がスムーズに進みません。そのため、その都度移動させていますが、総重量11tです……なかなかハードです。

願わくば…

概算では笹の回廊周辺には32,000本の笹があり、重量としては11t、現在6割程度は終わっていると思いますが、残り4割です。その他の場所にも、これらの数倍の笹薮がありますので、あとどのくらいかかるか…。幼笹も曲者で、今のうちは柔らかく刈り取りやすいのですが、来年には成長して立派な硬さの笹となり、私の前に立ちはだかります。なので、今後も二度三度と継続的な刈り払いが必要になります。

まだまだ意欲があり戦いを挑み続けようと思ってはいますが、気力&体力がいつまでもつか…。
「願わくば 我が里山の 笹藪も はやくに花を 咲かせてほしい」(仙台七夕の短冊に…)。

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