激変!入り口の林道
下の写真は2023年の2月、手入れを始めた頃の林道です。スギの落ち葉で砂利道が見えず、車で入っていくのが躊躇された場所でした。この道を400m程下ると我が家の入り口、笹薮の回廊につきます。
それが半年後の8月、砂利が敷き詰められ、片側が伐採され、重機や搬出車両が通れるように拡幅されました。近くのスギ林が伐採されると聞いてはいたのですが、実際に見るとその改変ぶりにはビックリです。
林道の様子
スギ林伐採のため拡張された林道
我が家のスギ・ヒノキ林は65歳
スギやヒノキ植林は林齢40年前後から利用でき、40年生前後は合板やチップ材、50年生前後になると製材用材と使えるようになると言われています。我が家のスギ・ヒノキの屋敷林と隣地との境界のスギ林は、入植した当時(昭和30年)に父と祖父が植えたものだと聞かされていました。なので、ほぼ私と同年齢、65歳オーバーです。実際に伐採が行われていたスギの年輪を数えてみたところ(数え難かったのですが)60年前後でした。
伐採されたスギ
スギの年輪
余談:「赤身(あかみ)」?
マグロの話ではありません。スギの話です。上の写真ですが、丸太の芯に近いところの茶色が濃く、周辺は薄くなっているのがわかると思います。この色の濃い部分のことです。業界用語で「赤身(あかみ)」と呼ばれ、一方、周辺の薄い部分は「白太(しらた)」という名前がつけられています。スギなどの針葉樹では特にわかりやすくなっています。赤身は「心材(しんざい)」、白太は「辺材(へんざい)」です。
樹木は芯より外側に年輪を重ねていくことで太くなっていきます。外側ほど新しくて若い細胞であるため、水分を通しやすくて柔軟です。それが時間の経過とともに水を通さず徐々に硬くなり、樹木を自立させる役割に変わっていきます。さらに樹脂成分もたまっていきますので、硬くて腐りにくく、強い材質となります。そういった違いがあるため、中心部の「赤身」は土台部分や床板によく使われます。外側の「白太」は天井材等に使われ、部屋が明るくなります。
屋敷林・境界林を伐採する?
せっかく近くまで伐採が入るので、我が家のスギ林等も伐採してもらえるか、作業していた業者に聞いてみました。伐採作業には集荷、搬出の作業もあり、搬出道の確保や集荷用に土地を借りているので、一緒に行えるのなら、それらを使えて効率がよくできる。ただ、伐採面積が狭かったり(伐採木が少ない)、はたまた木質が悪かったりすると、持ち出しになる可能性もある、との事でした。そこで我が家の屋敷林、境界林を見てもらいました。すると更にビックリする一言、屋敷林の伐採では傍の家屋(廃屋)側に倒れてしまう可能性があり、廃屋そのものも邪魔になるので、廃屋の取り壊しも検討してみては、との話です。その業者は家屋解体も行っているので、併せて見積もってもらう事にしました。廃屋には色々なもの(ほぼゴミです)が山積みです。親父は(その世代の人達全般でしょうか)何でもかんでも詰めこんでいたので、その撤去費用も高額になりそうでした。
『ジャングル通信2-問題が山積!』で、里山手入れの現状の課題・問題点を列記していました。この春に喫緊の課題、「進入道路の整備」を行いましたが、今回は「屋敷林・境界林の伐採」、「廃屋・ごみの解体撤去」の2つが同時に来てしまいました…。見積額は書きませんが、伐採費用も持ち出し。想定内とは言え結構な出費です…。
中央から右側が境界林、左側が屋敷林の一部です
屋敷林伐採&廃屋撤去の決定
当初、実家の里山の手入れは「耕作放棄されて荒れている農耕地を、多様性のある豊かな森林に戻す」ことが目的でした。そのためには避けては通れない課題です。考えていなかったわけではありませんが、一気に来たことで少々戸惑っています。そもそも今春に山の手入れを始めなければ、今後もずっと見ないふりだったでしょう…(気にはなりますが)。けれども、手入れを始めた以上、これまで自然環境相手に仕事をして、あちらこちら状況を見聞きしてきた身として、見なかったことにはできません。ここは好機到来!一気に片をつける!あまり時間がないなかで早くしなさいという天の声、自然の声と考えて、「屋敷林・境界林の伐採」と「廃屋・ごみの解体撤去」をあわせて行うことにしました。
ただ、その後の伐採跡地を、どのようにして豊かな森林に戻していくかを考えなければなりません。いろいろと試したいのですが、果たして成果を見届けられるか…。
★参考写真
①我が家(廃屋)の目の前、スギ林の伐採対象地です。伐採途中ですが変化を見比べてください。
2023年8月26日撮影
2023年9月15日撮影
②御遠見地区のドローン(斜め)写真での比較です。
2023年2月撮影
2023年9月撮影
③北側上空から南方向。
2023年4月撮影
2023年9月撮影