我が家のマダケ
昨年2023年12月より竹林の伐採を始めました。まずは隣のスギ林に侵入したタケの伐採です。我が家のタケはマダケ(真竹・苦竹)です。他にはモウソウチク(孟宗竹)、ハチク(淡竹)等が知られています。マダケは太くなると直径10cm、高さ17~8m程になります。伐採はノコギリで行っていますが、厚さは8mm程度で、思ったより簡単に切ることができます。
スギ林内の竹から作業開始
切り倒しと片づけが大変
切るのは簡単ですが、その後の片づけが大変です。密生した竹林に運び、積み重ねるのですが、太い竹は結構重いのです。棹の部分を運べる重さにするためにさらに1~2回短く切る必要があります。また、葉の部分はかさばりますので、広い場所が必要です。
竹林の伐採は、粗密はあるにしても真っすぐ伸びていて、簡単にできると考えられていると思います。が、そこがまず違います。竹林にはつる植物(フジ)もあちらこちらに生えていて、竹の棹部に巻きついて、光を求めて上へ上へと伸びていきます。一本のタケに巻きついているだけなら良いのですが、途中から隣のタケ、さらには上部で何本かに巻きつき・絡みつきあっているものもあります。そのため、1本切っただけでは倒れず、2本3本と切る必要が出てきます。どのタケを切ると上手く倒せるかを考えるのも、パズルを解く感覚で楽しいですが、あまりにも絡まり過ぎると…。それ以外にも、枯れて倒れかかっているものや、途中で折れ曲がっているものも多くあり、かなり大変です。切って引っ張って少し倒し、つる植物の絡まりを切り、更に引っ張って、棹の途中を切って、引っ張って、つる植物を切って、さらに引っ張って…とかなり苦労して切り倒しています。切り倒すのにまず1回、運ぶためにも2~3回切り、それが何本もありますので、ノコギリの切れ味が悪くなります。これまで2ヶ月程の間に、3回刃を交換しています。
竹に絡みついたつるが曲者
タケの「1m切り」
前回、タケの伐採方法で「高切り」と紹介していたのですが、一般的には、具体的に地上約1m付近で切る「1m切り」という名が使われているようなので、今後はこの言葉を使います。前回、根元から切っても1mで切っても、その後の駆除効果は変わらないと書きましたが、最近読んだ本に、1m切りを実施したところタケが全く生えてこなくなった場所があるとの事でした。一方で、その後も生えてくる場所もあり、今後の研究結果が待たれます。
メカニズムとしては、秋から冬の期間にタケを1mの高さで切ると、翌年の春から夏の成長期に切り口から養分+水分が流れでて、根茎に蓄えられている養分が消費され、成長が抑制、順次枯れていくという理論のようです。また、その発展形として、筍も少し成長させて1m切りをすれば同じような効果が得られるのでは、とのことで、「新1m切り」として実施され始めたようです。こちらの結果も大いに気になります。できるだけ手間をかけずに竹林の管理ができればそれに越したことはありません。
1m切りで伐採
葉がやけに重い…?
切り倒したタケは、そのまま引っ張って運びますが、太いタケは重いので、棹の途中1~2か所で切断します。上部の笹の葉がついている部分は、林床のスギの枯れ枝や周りの低木に引っ掛かるので、秋田の竿灯祭りのように立てて運ぶこともあります。立ててしまえばさほど重さも感じず楽に運べます。そんな中で、葉の部分がやたらと重いタケがありました。よくよく見ると、葉の近くに膨らみのある花芽のようなものが沢山ついていました。
タケの花!? タケの開花は60年、あるいは120年に1回といわれ、花が咲くと竹林全体が一気に枯れ、その後種から再生してくると言われています。これで竹林全体が枯れれば、伐採の手間が省けラッキー! と思ったのですが、何か変です。よく見るとタケの上部(葉の部分)が混み合っていて、全体に黄色く枯れかかっていました。サクラの木によくみられるテング巣病のようでした。調べてみると、タケにもテング巣病があり、近年特に増えいて問題になっているようでした。このことを知ってから、他の竹林も良く見るようになりましたが、確かに黄色に変色して葉の部分が混み合っているものや、上部に丸い鳥の巣が載っているようなものも目につきます。
花芽のようなもの
テング巣病らしき竹
テング巣病の病原菌はAciculosporiumtakeという糸状菌(俗にいうカビ)です。状態としては多数の節をもったつる状の枝になり、ほうき状や鳥の巣状になります。雨水による伝染が多く、多湿となりやすい梅雨頃が主な時期です。罹病すると同化作用が衰え、地下の茎の貯蔵養分が減少し、タケノコの発生も減ります。他にも葉の褐変、桿の枯死、折損が見られ、景観も悪くなります。防除法は、罹病した竹および老齢竹を伐採焼却処分することで、竹林の風通しが改善されると伝染しにくくなるようです。管理された竹林では,罹病竹が間引かれるなどして被害はある程度まで抑えられていましたが、竹材やタケノコの利用が少なくなり、竹林が放置されたことで、本病が蔓延したと考えられています。
我が家の竹林は一部に病変したタケが見られますが、まん延とまでは至っていないので、今後は適切に伐採し、風通しのよい竹林にしていきたいと思っています。
西側スギ林内のタケの除去終了
さて、このように悪戦苦闘しながら、西側スギ林内のタケの除去(1m切り)を終了しました。2023年12月下旬から2024年2月中旬まで、延べ日数で11日、午前を中心に伐採し、作業時間の合計は約29時間です。除去したタケを数えたわけではありませんが、200本程になると思います。写真の通り地上1m程残しての切断です。花粉症がある身としては、スギ林内の伐採作業ですので、発症前に終了出来てホッとしています。が、反対側の東隣のスギ林にも我が家のタケが侵入していますので、そちらもこれから立ち向かう予定です。東側のスギ林は西側に比べて傾斜もきつく、作業がハードになりますが、足腰の鍛錬です。竹林の伐採は秋~冬の作業ですので、3月中には終わらせ、筍の時期(ここの場所は6月下旬頃)にどうなるかの確認を行う予定です。はたして1m切の効果はいかに?
1m切りの効果を期待して
★季節の一枚
クロサンショウウオの卵のうを2024年2月10日、笹薮内の小さな池(直径5m程度)で確認しました。トウホクサンショウオも同時期に産卵するのですが、まだ確認できていません。アカガエル類の産卵前線も関東まで北上。仙台は3月中下旬?
クロサンショウウオの卵のう
- 【参考資料】
- 農山漁村文化協会編「農家が教える 竹やぶ減らし」(農山漁村文化協会 2022年)