3か所のため池+源流部の湧水池
私が手入れしている里山は、標高150m程の小ピークから緩やかに南側に傾斜していて、中央部が低く、両側が尾根になっている谷地形となっています。下の写真は昨年2023年2月、手入れを始める前のドローンの空撮写真です。小ピーク上空から南方向を撮ったもので(写真上が南方向、下が北方向で、下から上にむかってなだらかに傾斜しています)、中央部の少し奥に我が家のため池②があり、さらにその奥のため池③、中央スギ林の直下にもため池①があります。入植した3軒でそれぞれ1ヶ所のため池を所持して農業用に利用していました。それらは小さな水路でつながっていて、流路も①⇒②⇒③の順です。さらにその手前のスギ林・竹林の境界部に源流となる直径1.5mほどのごく小さな池(湧水池)があります。降雨があれば少し水位を増しますが、冬季の渇水時期には枯れてしまうこともあります。そこにクロサンショオウが産卵するのですが、昨年は産卵後に降雨がなく干上がってしまいました。その後の雨で再度の産卵は確認しましたが、ただ震災前までは枯れたことがなかったと隣家に住んでいた人は言っていましたので、東日本大震災の地震で水脈がズレたのでしょうか…?
里山に点在するため池と湧水池
この里山に小川があれば、さらに楽しみが増すのですが、最下流のため池③での集水面積は0.1平方キロメートル程しかないため、水量の確保が期待できません。雨が降ればある程度の流れはあるものの、普段はちょろちょろです。そのため農作業、特に稲作を行うためには水が全く足りません。我が家のため池②は東側の斜面を開田して水田にした時に掘ったもので、ポンプアップして使っていました。ただ、これまでに池干し、底泥のかき出しを行っていないため、周辺からの土砂の流入、落ち葉の堆積により、水深も浅くなり、ため池の機能は失われかけています。我が家のため池②は水深が20cm程度しかありません。このままでは湿地になってしまいますので、重機を使って掘るか…。農業(稲作)を再開するつもりはないので、そのまま湿地化させるのもありかと思っています。
もう一か所のため池?
上の写真をよく見ると、3か所のため池+1か所の湧水池の他に、もう一か所、円形のため池?がありました。写真の赤い矢印のところにある小さな池です。北側隣家の所有です。別の角度から撮ったものが下の写真です。1年前の写真ですが、周りの笹薮の勢力がものすごく、とても歩いて見に行ける状況ではありません。こんな時ドローンは便利です。夏にドローンで撮影してみたところ、水草が生茂っているのがわかりました。写真を拡大すると園芸種のスイレンでした。スイレンはため池①及び③にも繁茂していますので、外部から持ち込まれて、各池に移植されたものと思われます。
赤矢印のもうひとつのため池
夏、スイレンに覆われていました
この池を見たい!
笹薮に覆われてなかなか近づけないのですが、私には草刈り機という強力な武器があります。冬になって植物の活動も一休みしたところで、池の状況を確認するべく笹刈りを行いました。ただ、笹に絡まったつる植物も多く、そう簡単には池にはたどり着けませんでした。笹刈り、つる植物の刈り取り、それらの片づけを繰り返すこと2日、延べ6時間をかけて、やっと南側からの進入路を作りました。
池の直径は10m程度、水深もあまりなく50cm程度と見られます。岸際の状況や形状を考えると、自然のくぼ地に水がたまったとは思われず、人の手によって掘られたものと思います。隣家の人が手堀りしたもので、もしかして私の父も手伝ったかもしれませんね。どのように掘られたか隣家の息子さんに聞いてみたいと思います。この池の出口には塩ビ管が埋め込まれていて、放流先はため池①とため池②の間のようです。この池をため池④とします。水の供給源としては流入している沢は見当たらないので、周辺に降った雨水が浸透して、ここに湧水として出てきたものが溜まったものと思われます。現状は笹薮に囲まれているので、土砂の流入もほとんどなく、あるのは落ち葉の堆積くらいですので、他の池に比べて水質は良好と見ました。2月に入ると岸際のヤナギがフワフワの花をつけ、サンショウオの産卵もみられ、環境としてもなかなか良いと思っています。
たどりついたもうひとつのため池
気になるのがスイレンです。今は冬枯れしているので見えませんが、春から夏にかけては、上の写真の青円内のように、池を覆いつくすようにびっしりと繁茂することが容易に想像できます。
園芸スイレンは生態系等に被害を及ぼす外来種! スイレンは「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)」のなかに、『重点対策外来種』(甚大な被害が予想されるため、対策の必要性が高い)として掲載されています。日本には明治時代末期に園芸植物として入ってきて、全国で栽培され、それが野生化しています。ただ、外来種との認識がほとんどなく、逸出と植栽の境界が明確でないため、気がつくと池一面に繁茂し、絶滅危惧種を含む他の水生生物へ大きな影響を及ぼしています。愛知県や名古屋市、神奈川県相模原市等で駆除の実績があるようです。冬季の池の状況を見ただけですが、このため池④は環境的に良さそうですので、他の水生生物の状況も確認しつつ、スイレンは駆除(引き抜きにより)したいと思っています。ウシガエルが侵入していないとなお良いのですが……春からの仕事がまた増えました。
ジャングル通信⑥でキウイフルーツの事を書きましたが、キウイフルーツも『産業管理外来種』(適切な管理が必要な産業上重要な外来種)となっていました。確かに、手入れされずほったらかしの状態で何十年と生き抜いてきて、かつ周辺の樹木に絡みついて繁茂している状況をみても、とても強い植物なのがわかります。我が家の例にもあるとおり、耕作放棄地などからつるが伸びだして周囲の植生を圧迫すること、種子をつけ始めると急速に分布拡大の危険性があることが指摘されています。河川(河畔林)では増加傾向にあり、鳥により種子散布されることなどから、雑木林への影響が危惧されています。こうした環境へ侵入するおそれのある場所で栽培を中止する場合には、切って処分する必要がありますね。私が手入れできなくなった際には、そのようにしたいと思います。
ため池について調べていたら、「みやぎのため池マップ:宮城県農政部農村防災対策室」が整備されていました。豪雨時等のため池決壊への防災減災対策用に作成されたもののようです。丘陵地を中心にかなりの数が記載されいます。上流にため池がある場所に住んでいる人は是非ご確認ください。
★季節の一枚
オオイヌノフグリ(青色)、ヒメオドリコソウ(桃色)、コハコベ(白色)
春の陽だまりの小さな花々(2024年3月16日撮影)
- 【参考資料】
- 生態系被害防止外来種リスト https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/iaslist.html
- みやぎのため池マップ https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/nosonbou/tameikemap.html