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10-下心満載の笹刈り作業

2024年5月
文:佐竹 一秀
(WEB公開:2025年3月12日)

ため池のそばにあったもの

前回、里山のため池事情について書きました。3か所の農業用水用のため池とその源流部の小さな湧水池、その他に一か所、円形のため池があり、その池の状況を知りたいがために、笹薮を草刈り機で刈り払いました。2日間、延べ6時間を費やし、やっと小さなため池に行きつくことができました。

笹刈りの途中、気になる植物がありました。笹藪の上にぴょこぴょこと出ていたものです(写真の赤矢印)。下層は笹藪に覆われていますが、かろうじて幹を伸ばして、必死に生きているようでした。幹にとげとげのあるその植物は「タラノキ」です。ご存知のとおり春の山菜の代表選手で、展葉しはじめた新芽を摘んで、天ぷらなどにして食べます。

  • 笹藪のタラノキ

タラノキの自家栽培

里山に上ってくる道路わきにも、タラノキが植えてある場所が3か所ほどあります。周りの低木や雑草が刈払われていましたので、持ち主が自家用に植えたものと思います。上の写真も隣家が植えたものと思いますが、手入れをやめたので、笹の侵入が進み、そのうちに笹薮の中にタラノキが埋もれてしまい、かろうじて生きているような状況でした。このまま放置すれば笹に圧倒され、枯死することが目に見えています。我が家の土地・所有物ではありませんが、この笹薮を刈り払って、タラノキを救出し、あわよくば新芽を少々頂戴したいと思って(下心満載で…)笹刈りを始めました。笹薮を減らして里山環境を良くすることも重要ですが、タラの芽も重要です。

さて、そうしてさっそく作業を始めましたが、笹の密度が高く、刈り取った笹を片づけながら行わないとなかなか仕事が進みません。写真はタラノキを救出した状況写真です。笹薮を刈り払い、左奥に刈った笹を積み上げています。ただ、この奥に倍くらいのタラノキが埋もれています。さらに時間がかかりますので、新芽の時期までに刈り終えられるか少々不安です。

  • 笹藪からタラノキを救出

更なる下心!

刈り払いの途中、笹薮のなかの茶色に枯れた植物にも目がいきました(写真赤丸)。冬枯れしたワラビです。ワラビも春の山菜の代表です。タラノキの生えている笹薮の南側、我が家に近いところの笹薮(昔は草地)に多く生えているのは、昨年の夏に確認していました。ここも下心満載で、ワラビを採るためにできる限り刈り払いすることにしました。

我が家の畑にもワラビが出てくる場所があります。そこをワラビ畑にすべく昨年2023年の春から夏に手入れを行っていました。下の写真のようにワラビ以外の笹やススキ等の雑草を刈り払い、ワラビのみを残した畑にしています。今春はたくさん出てくれるでしょうか?

  • 冬枯れのワラビ

  • 未来のワラビ畑

現在、笹刈りを行っている所も、できればワラビのために草地にするべく頑張ってはいるのですが、範囲が広すぎて、かなり苦戦しています。果たしてワラビが芽を出す前に、笹刈りを全て終えられるか…?

春の目覚めは思いのほか早い!花粉症もつらい!

冬の間あいだは山菜救出の笹刈りとスギ林内に侵入した竹の伐採に多くの時間を費やしましたが、まだまだ先は長いです。2月に入ると鼻がムズムズ、目もかゆくなり、花粉症が出はじめました。毎年のこととはいえ、気力が削がれます。それでも、春になったら山菜を採るんだ!という(下心満載の)目標が笹薮刈払いの原動力です。

花粉症対策には眼鏡とマスクが必須です。ただその両方を付けて作業すると、眼鏡が内側の熱気と外気の冷気で曇ってしまい、よく見えず危険です。特に草刈り機での作業は、石ころや太い木は避けて行う必要があるため、視野の確保は重要です。眼鏡を外すかマスクを外すかの2択になります。山作業時には小枝や小さなゴミが目に入ることも多々あるので、メガネの方が重要です。そこでやむなくマスクを外すのですが、スギ花粉や細かい塵を体内に取り込むことになり花粉症が悪化します。それでも下心のため、何とか頑張ってきました。

3月に入り、中頃を過ぎたころから、春の足音が聞こえだし、陽だまりには小さな植物が花をつけ、木々の芽も膨らみ始めます。終わりの見えない笹刈りに飽きた時には、早春の里山を散策します。その時に目に付いたのがシュンランです。清楚な在来のランで、お気に入りの一種です。動物の世界でもクロサンショウウオやトウホクサンショウウオの産卵は既に行われており、4月に入ると、木々の新芽はさらに大きくなり、山桜(カスミザクラ?)も淡いピンクの花を咲かせてくれました。シュレーゲルアオガエルの鳴き声も心地よく聞こえますが、あまり聞きたくないウシガエルの声も響いてきます。タテハチョウやシジミチョウの姿も見られ、里山があっというまに春になってしまいました。

  • シュンラン

  • ヤマザクラ

下心は達成されたか?

下心満載で行った笹薮の刈払いですが、最終目標のタラノメの採取、ワラビの収穫はどうなったのでしょうか? タラノキの周りの笹刈りは完了できましたが、ワラビは予定していた笹薮の4割ほどを刈り残した所で、芽出しの時期を迎えてしまいました。笹薮の刈払いはしばらく休み、秋になってワラビが枯れ始めた頃から再開します。笹薮を減らすことで里山の環境を整えるべく(さらには下心満載で)今後も笹刈りを行っていきます。

★季節の四枚(4月13、20日撮影)

2024年4月20日、少々早いのですが、1週間たつと伸び過ぎの可能性も大なので、下の写真の通りそれぞれ収穫してしまいました。タラノメは天ぷら、ワラビはあく抜きをして、おひたし、炒め煮にして美味しくいただきました。

  • タラノキの若芽(タラノメ)

  • 収穫したタラノメ

  • 芽出しのワラビ

  • 収穫したワラビ

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