我が家のため池
写真は我が家のため池の生き物調査で、かご罠(25cm×25cm×45cm)の設置状況です。昨年(2023年)の秋で、水が少ない時期ではありましたが、水深が5~10cm程しかなく、底泥を掘ってもかご罠を完全に水没させられませんでした。ため池を作ってから約50年、これまでに池干しや浚渫を行ったことはなく、周りからの土砂や落ち葉が流入、堆積して底なし沼状況となっています。
このまま放置するとさらに水深が浅くなり、湿地状態になります。それはそれで良いのかも知れませんが、水深が必要な生き物や、解放水面を必要としている生き物もいますので、生物多様性の観点からは浚渫が必要ではと考えています。周辺にある3か所のため池(2024年4月の「9-里山の農業用水(ため池)事情」参照)についても底泥の堆積が見られ、水深があまりない状況です。せめて我が家のものだけでも浚渫して、ため池の機能を維持しておきたいのですが…。
かご罠が完全に水没しない状態です
井戸改修に続けてため池もやってしまえ!
先月号で古井戸改修について書きました。古い素掘りの井戸を広めに掘り返して砕石を敷き、ヒューム管を立てて改修しました。
工事業者さんに、ため池の浚渫について聞いてみました。まずは堆積している底泥の量を把握するために、池の水を抜きたいとのことでした。ちょうど井戸改修で重機を使っていたので、空中写真(ため池上空)の赤線部分で道路を切って、矢印の方向に水を抜いてもらうことにしました。道路を切った状態が隣の写真です。少し底泥を除去すると、50年前に掘った時の底部、固い粘土の層が出てきました。その面までの底泥の厚さを計ったところ、深いとところで80cm以上もありました。
赤線で道路を切り、水を抜きます
道路を切ったところ
道路を切って、水を抜き、泥の量を確認し、と、ここまでやってしまうと、もう先に進むしかありません。この業者さんにため池の底泥浚渫もお願いました。まずは池の中央部まで重機が稼働できるように道を作ります。そこから周辺の底泥を南側に移動させ、掻きだした泥は隣接したくぼ地を埋めることにしました。さらにため池の西側のくぼ地も埋めてしまいます。ため池の北側にはヤナギの低木やクルミの木が生えているので、その手前の底泥を一部残しながら、陸地と接続させるエコトーン(移行帯)とする事にしました。ため池の水の排水部分は2口とし、オーバーフロー時の排水管と池干し用の排水管を2本設置してもらいました。
2枚目の写真が浚渫完了時です。手前側が最も深くなっており、オーバーフロー用排水管まで水が溜まると、水深約95cmです。写真で底土の見えている付近は60~70cmの水深になります。
道路を作り、浚渫開始
浚渫完了
浚渫作業は終了したものの…
今年の梅雨は空梅雨? 5月末から6月初旬の浚渫工事期間中には雨が降りましたが、工事が終わった後はほとんど雨が降りませんでした。そのため、工事終了時には一時水位が上がりましたが、その後は水位が下がり続け、7/5には池干し用の排水口が見えてしまいました。
生物調査の仕事の時に雨に降られると、作業効率が悪くなり、降り方によっては調査延期もあり、雨は嫌いなものでした。ただ、浚渫後の池の状況を見るにつけ、雨が降ってほしいと切に願うようになりました。畑の作物を雨も求めているようで、農家の方々の気持ちも理解できるようになりました。降るときには降る、雨は大切です!
7/8~11にかけてまとまった雨が降りました。この場所に近いアメダス米山局のデータでは、4日間で98mm降水がありました。7/13の池の状況は右の写真の通り、ほぼ満水でした。ただ、土の堰堤ですし、道路を切って埋め戻したこともあり、少しずつですが漏水しています。今後も適度に雨に降ってもらわないと…。
まとまった雨でほぼ満水になりました
浚渫により、深みのあるため池となったので、外来種のアメリカザリガニ(ウシガエルのオタマジャクシも)を駆除するためのトラップ(シナイモツゴ郷の会作成)が使用できます。春先に購入していたのですが、やっと設置することができそうです。
井戸改修、井戸水の溜まり具合は…
先月号で、井戸改修後1ヶ月で90cmほど水が溜まり、水中ポンプを使っての水汲みをしたという報告をしました。改修前の水深は120cmほどありましたが、改修時に20cm以上の砕石を敷きましたので、90~100cmが平常時の水深と思います。井戸の直径80cm、水深95cmとすると、水量としては約0.5立方メートル。ヒューム管の周りも広めに掘込んで砕石を敷設しているので、その部分も含めると、少なく見積もっても1立方メートル以上の水が確保されていると思われます。今回、前日の夕方に水中ポンプで全量を汲みだし、翌日に水深を計測したところ、90cm程ありましたので、一晩で水量が回復することもわかりました。1日1立方メートルの水を使うことはないと思いますが、一安心です。今後は井戸水の汲み上げを頻繁に行い、砕石からの濁りを除き、きれいな井戸水として利用したいと思います。その時には飲料水の検査も○○分析センターさんにお願いしたいと考えています。
以上、井戸の改修、ため池の浚渫が終了しました。やることはいっぱいですが、次は何をしましょうか…。
季節の一枚(7月20日)
ほおずきがひっそりと山の畑にありました。1個だけ色づいたので、写真に収めました。子供の頃はあちらこちらにありましたが…。思い出される歌があります。1975年、半世紀前の曲です。グレープ(さだまさし+吉田正美)が歌っていました。
- 「ほおずき」 作詞作曲:さだまさし
- ♪いくつかの水たまりを残して 梅雨が駆け抜けてしまえば
- 湿った風の背中ごしに きみの好きな夏が来ます
- あの日きみにせがまれて 出かけた小さなお祭り
- 綿菓子の味 アセチレンの光 きみは赤い「ほおずき」を買った
- ため息でまわした ひとつの風車 とまらずにとまらずに
- まわれとふたり 祈っていたのに…♪
ほおずき